公務員試験の論文・作文対策
「論文が苦手」という相談はとても多いのですが、その前に確かめておくことがあります。 あなたが受ける試験で課されるのは、論文ですか、作文ですか。何字ですか。第1次ですか、第2次ですか。
ここが決まらないまま対策を始めると、1,200字の練習しかしていないのに本番が800字だった、 第1次で書くと知らずに筆記だけ対策していた、ということが起きます。 この記事は、まず公式の原文を数えてそこに答えます。
この記事でわかること
- 公式が「論文」と「作文」のどちらを使っているかの実数
- 受験案内に字数が書かれている割合と、いちばん多い字数
- 第1次で課されるのか、第2次で課されるのか
- 実際の受験案内が、どういう書き方をしているか(原文のまま)
- 答案を組み立てるときの順番と、つまずきやすいところ
「論文」と「作文」は、同じではありません
公式の受験案内が使っている語を数えました。 いちばん多いのは「論文」ではなく「作文」です。
| 公式が使っている語 | 区分 | 受付中 |
|---|---|---|
| 作文 | 4,469件 | 165件 |
| 論文 | 3,699件 | 137件 |
| 両方 | 214件 | 13件 |
当サイトは、この語の違いが何を意味するかを判定していません。 同じ「作文」でも、志望動機を書かせるものと、社会的な課題について論じさせるものがあります。 判定できるのは各自治体の受験案内だけなので、原文をそのまま各試験ページに載せています。
対策の本や記事の多くは「論文」を前提に書かれています。 作文が課される試験を受けるなら、その記事が自分に当てはまるかを最初に確かめてください。
何字で書くのか
字数の指定が受験案内にあるのは 1,338件で、 7,044件には書かれていません。 受験案内の段階では字数を示さず、試験当日に問題用紙で示す自治体が多いということです。
| 字数 | 区分 |
|---|---|
| 800字 | 778件 |
| 1,200字 | 266件 |
| 400字 | 128件 |
| 600字 | 115件 |
| 1,000字 | 112件 |
| 1,500字 | 43件 |
| 320字 | 28件 |
| 1,600字 | 13件 |
いちばん多いのは 800字です。 ただし2番目以降とは2倍以上ひらきがある字数も並んでいます。 練習する字数は、志望先の受験案内を見てから決めてください。 同じ内容でも、800字と1,200字では入れられる施策の数が変わります。
第1次で書くのか、第2次で書くのか
| 課される段階 | 区分 |
|---|---|
| 第2次 | 1,844件 |
| 両方 | 1,435件 |
| 第1次 | 817件 |
第1次で課される場合、筆記試験と同じ日に書きます。 教養試験のあとに続けて書くことになるので、時間配分の練習が要ります。 第2次で課される場合は、第1次の合格発表から本番まで数週間あることが多く、 そこで初めて対策を始めても間に合う可能性があります。
この表に入っていない区分は、受験案内に段階が書かれていなかったものです。 当サイトは書かれていない段階を補っていません。
実際の受験案内は、こう書いています
要約せず、公式の書き方をそのまま載せています。
答案を組み立てる順番
ここから先は、当サイトのデータではなく運営者(市役所・東京都庁で通算12年)の実務と、 予備校講師としての添削の経験から書いています。
いちばん多いつまずきは、書き出す前に「何を課題にするか」を決めていないことです。 たとえば少子化について問われたとき、原因は経済的な負担、働き方、価値観の変化と広くあり、 そのすべてに一つの自治体が対応できるわけではありません。 まず、自分が受ける団体の権限と予算で実際に動かせる範囲に課題を絞ります。 ここを絞らずに書き始めると、どの段落も一般論で終わります。
順番は、次の6つで組み立てると迷いません。
- 課題を絞る。その団体が自分の権限で対応できる範囲に限定し、なぜそこを選ぶのかを書く
- 原因を書く。背景を述べたうえで、行政側にある課題(届いていない、使われていない)まで書く
- 施策を1つめ。どの部署が、誰に、何をするか。新しい窓口を作らず既存の流れに足せる形だと現実味が出る
- 施策を2つめ。1つめと役割を分ける。同じ性質の施策を並べても厚みは増えない
- 実現性に触れる。費用と、やってみて確かめるべき点を1つ書く
- まとめる。施策を要約し、職員としてどう関わるかで結ぶ
この順番は、採点する側が読む順番でもあります。 課題が絞れていれば、そのあとの段落が全部その課題に向かって進みます。
つまずきやすいところ
- 現状の説明に字数を使いすぎる。統計や背景を丁寧に書くほど、肝心の施策が薄くなります
- 国の仕事を書いてしまう。法改正や税制は、市町村の答案では書いても動かせません
- 施策が「周知します」で終わる。誰が、どの部署で、いつやるのかが無いと、実行できる案に見えません
- 新しい施設や窓口を作る案ばかりになる。費用に触れないまま新設を並べると、実現性の欄が書けなくなります
- 感想で結ぶ。最後は職員として何をするかで結びます
この記事で答えられないこと
出題テーマは載せていません。当サイトが持っているのは受験案内に書かれた日程と試験方式までで、 過去に何が出たかのデータを1件も持っていません。 「例年こういうテーマが出る」という書き方は、確かめられないのでしません。
上の集計は、公式の原文を機械的に読んだものです。原文は「論文(作文)試験」のように 括弧で併記されることがあり、語の分類が実際の試験の性質と一致しない場合があります。 分類ではなく、各試験ページに残した原文のほうが正です。
ここまでで、自分が受ける試験で何が課されるかと、答案を組み立てる順番までは分かります。 ただ、順番を知っていることと、1本書き上げられることは別です。 実際に手が止まるのは、「課題をどこまで絞るか」と「施策をどれくらい具体的に書くか」の加減で、 これは完成した答案を読むのがいちばん早いところです。
運営者が note に、市区町村版と都道府県版の完成答案と、 それぞれなぜその課題を選び、なぜその施策にしたかを書いた設計メモを置いています。 1本は全文が無料で読めますので、水準を見てから判断してください。
運営者(元都庁職員)が note に書いている記事です。有料・セットは note で購入します(このサイトでは決済しません)。試験日程の掲載内容とは関係なく、掲載の可否や順序に影響しません。対象者と悩みから記事を選ぶ →
よくある質問
公務員試験の論文は何字で書きますか
自治体によって違います。2026年10月8日時点で当サイトが掲載している論文・作文が課される8,382区分のうち、受験案内に字数の指定があるのは1,338件でした。その中で最も多いのは800字で778件です。残る7,044件は、受験案内の段階で字数が書かれていません。当サイトは公式に記載がない字数を補うことはしていないため、必ず各自治体の受験案内で確認してください。
公務員試験の「論文」と「作文」は違いますか
公式の受験案内がどちらの語を使っているかは、試験によって分かれます。2026年10月8日時点で、当サイトが掲載している8,382区分のうち「作文」とだけ書かれているものが4,469件、「論文」が3,699件、両方の語を使っているものが214件ありました。当サイトは語の違いが何を意味するかを判定していません。原文をそのまま各試験ページに載せています。
論文は第1次試験と第2次試験のどちらで課されますか
試験によって違います。段階が受験案内に書かれている区分のうち、第2次試験で課すものが1,844件、第1次試験で課すものが817件、両方の段階で課すものが1,435件でした(2026年10月8日時点)。第1次で課される場合は、筆記と同じ日に書くことになります。

